こんにちは、くすだです。
2024年度より、『企業と人材』(産労総合研究所)を毎月読める貴重な機会をいただいております。
企業に属さず、フリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと、改めて実感しています。
この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。
その第一弾として今回は、カプコンの人材育成の取り組みを取り上げます。
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楠田メモ:
『企業と人材』2025年3月号より
■ 記事のタイトル
100年続く個人と組織を創る「HR’s SDGsアワード」受賞企業の取組み
~「育つために育てる」部門 最優秀賞(株式会社カプコン)
■ 記事の要約
社員約3,500人のうち約7割が専門職=クリエイター(デザイナー・プログラマー)を占める。かつては会社が実施する研修は新入社員研修程度で、その後はOJTが主流だった。
事業の急速な拡大、プロジェクトの大型化・長期化、若手社員の増加という変化に対応するため、マネジメント層の負荷が急増。その状況を見た若手が「管理職になりたくない」と思うようになるなど「管理職の罰ゲーム化」現象も見られるように。
そこで「ピープルマネジメント」を軸にした育成を推進。目指す人材像は「自走人材」で、4つのOS(自己効力感/学習能力/心理的柔軟性/リスペクト)の獲得・強化を目指す。
2022年~:リーダー向け「メンタートレーニング(メントレ)」導入
2023年~:若手向け「成長ブースト研修」導入
リーダー層・若手層両方からの「ホットサンド型アプローチ」:マネジメントに対するハードルを下げ、若手の自己成長を促す。
「マネジメントの民主化」:リーダーのマネジメント負荷を分散し、マネジメントに関するハードルを下げる。
■ 育成改革の詳細
※株式会社Momenterの坂井風太氏に研修の企画と実施を依頼
●メンタートレーニング=メントレ
対象者:リーダー層
2022年12月〜、約4ヶ月間に全10回・隔週1時間の集合研修を実施(10人前後のグループ)
初年度は110名以上が受講
学習テーマ:自己効力感/組織効力感/経験学習/オーセンティックリーダーシップ/成人発達理論/ジョブクラフティングなど
集合研修に加え、現場での実践・受講者間の対話も重視
●内製版メンタートレーニング=内製版メントレ
対象者:メントレ修了者
2023年5月〜スタート、毎年約400名が参加
月2回、8か月間のグループ対話形式(動画視聴+意見交換)
メントレ修了者がファシリテーターを担当、ファシリ未経験者のため、ガイドラインを整備
参加者は「講師」でなく「共に学ぶ仲間」として運営
●成長ブースト研修
対象者:入社1~3年目の若手
2023年8月~スタート、入社5ヶ月目から約4ヶ月間(隔週1時間×10回)実施。
メントレと同じ内容を「メンバー視点」で学び、自己成長法やリーダーのフォロー行動を習得。
●効果測定
研修修了後、リーダー層の61%、若手層の95%に行動変容あり
3ヶ月後にはリーダー層の行動変容が81%に上昇
若手は「自分の変化」、リーダーは「他者の変化」を促すため、効果発現にタイムラグありと分析
●成功要因と今後の展開
実施前に部門長と課題を共有し、組織のリアルに即した設計がなされていたことが成果に直結
開発部門から始まった取り組みが他部門にも広がり、Season3やワークマネジメント支援へと発展中
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今回は、『企業と人材』2025年3月号より、株式会社カプコンの取り組みについてまとめました。
本記事は、人材育成施策として、また同様の課題を抱える企業にとっても、多くの示唆を得られる内容でした。今後の支援にも活かしてまいります。
『企業と人材』では、私がパートナー講師を務めている株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度に研修評価に関する連載を担当されていました。
関根さんからは、「リエさんが好きそうな内容だから」と、研修でお会いするたびに「おみやげ」として最新号をいただいておりました。
(関根さん、貴重な専門雑誌の「おみやげ」感謝です!!)
今後も、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。
次回もどうぞお楽しみに。