『企業と人材』2025年7月号レポ|ハイパー・チームマネジメントの実践事例~AJS株式会社

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こんにちは、くすだです。

2025年度3月号の『企業と人材』(産労総合研究所)より、ブログでの要約レポを始めました。
企業に属さずフリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。

前回は『企業と人材』2025年7月号より、3ヶ月という短い期間でチームマネジメントを学び、変革を進める「ハイパー・チームマネジメント」というサービスの紹介記事をまとめました。

今回は『企業と人材』2025年7月号より、「ハイパー・チームマネジメント」を導入した企業の事例を取り上げます。

記事タイトル

ハイパー・チームマネジメントをチーム運営に活用
(AJS株式会社 コーポレート本部 人事部長 上柿孝徳 他)

■記事の概要

株式会社Hyper-collaborationが提供する「ハイパー・チームマネジメント」を2021年から実施している。HTM導入に至った経緯、トライアル期間中のこと、経営の正式承認を得て本格スタートしてからのことなどが紹介されている。HTMに取り組んできて丸4年が経過した現在、HTMを企業の文化としていくために、取り組みの継続・拡大、認知度の向上、参加者数の増加を目指している。

■記事の要約

1.ハイパー・チームマネジメント(HTM)導入に至った経緯

  • 以前から、「個人の業績目標と組織目標の連動」と「チームの力を最大化する」という組織活性化活動(GrowApp↑)に取り組んできた。
  • 達成できたこと…仕事の見える化、メンバー間での業務調整
  • 達成できていないこと…顧客を巻き込んだ問題解決、日常の活動としての定着、「やらされ感」や「指示待ち」の解決
  • 今後の活動を検討中、コロナ禍により活動の継続困難(当時は対面実施を想定)。
  • 当時着任した社長から「同じことの繰り返しはNG」という考えが示された。
  • GrowApp↑事務局メンバーの一人がHTMを見つけてきて、「とりあえず一度やってみよう」ということになった。まずはトライアルとして導入。
  • 新たなな取り組みを「GA2(=GrowApp↑2)」と名づけた。

2.GA2の目的・目標

  • 「個人の業績目標と組織目標の連動」と「チームの力を最大化する」(GrowApp↑と同じ)
  • GrowApp↑が「集合研修」「ティーチング」「ウォーターフォール」だったのに対し、GA2は「オンライン」「コーチング」「アジャイル」を重視。
  • グループ長やリーダーを変革の主役とする。
  • 日々の実践の中で自らの気づきを重視する。
  • 反復実施により習慣化・日常化させていく。
  • 内発的動機づけによる「学習する組織化」
  • 変化が激しく複雑な時代に適応するアジャイルなチームマネジメントの実践」
  • 経営の正式承認を得ていくためにも、短期間で参加チームの成果をあげること
  • まずは成功体験を積むことが大事との考えから、参加チームの選定にあたり「チーム運営に課題感を持っており、変革に前向き」なマネージャーやリーダーに声をかけた。

3.GA2の概要

  • HTMの基本的なプロセスに沿って、セットアップ(1ヶ月)、キックオフ・レクチャー(1ヶ月)、プラクティス(1ヶ月)
  • セットアップ…事務局準備、各種事前調整
  • キックオフ・レクチャー…参加チームの個別ヒアリング(2時間/チーム)、HTMに関する学習(5時間)
  • プラクティス…週次サイクルでのチームマネジメントの実践・リフレクティブコーチング
  • プラクティスでの週次のイベント…朝会1(毎朝15分、リーダー&メンバー)、朝会2(毎日15分、グループ長&リーダー)、ふり返り(週次45分、チームメンバー全員)、ふり返りのふり返り(チーム間での情報共有)

4.トライアル期間(3ヶ月)経過後の変化

  • 朝会での報告内容がだんだんはっきりしてきた
  • リーダーの声掛けが「指示」から「問い」に変化してきた
  • 困っていることを朝会で伝え合えるようになった
  • スケジュール管理教育にもなった
  • 課題の早期発見につながった
  • 参加したグループ長からも「継続したい」という反応が返ってきた
  • こうした声を受けて、GA2の本格スタートが決まった

5.本格スタート~現在までの様子

  • 各事業部に参加枠を設けてエントリーしてもらう形で実施
  • 現在までに参加者は全社員の45%以上、グループ長の参加は95%
  • 参加者が増える中で、各チームの活動内容の整理・共有が課題となったため、社内ポータルの中にGA2のサイトを設け、期ごとに各チームの成果発表会動画を後悔
  • 事務局専用サイトも用意し、活動内容やスケジュール、朝会での会話内容、アセスメントシートやアンケート結果などを全て保存・確認できるようにしている
  • 活動の様子は全て録画し、社内限定のYouTubeで公開している
  • GA2を終了したチームのキーマンに次の期のサポーター(運営の支援)になってもらう
  • 社外向けの発信
  • 「HTMユーザー会」への積極的参加
  • 事務局の一人が、Hyper-collaborationが認定するファシリテータープログラムを受講
  • いずれは自社だけで運営できるようにしていきたい
  • 「GA2ガイドブック」を作成中
  • 年1回のエンゲージメント調査で組織の変化を追っていく

おわりに

今回は、『企業と人材』2025年7月号より、「ハイパー・チームマネジメント」を導入した企業の事例記事をまとめました。

これまでも組織活性化に取り組んできた同社が、次の一歩としてHTM導入を進めるにあたって、まずは「達成できたこと」と「達成できていないこと」を整理している点が、現実的で地に足の着いたやり方だと感じました。

また、「まずは成功体験を積めるチームから始める」という姿勢も、とても戦略的です。新しい取り組みを始める際の参考になる考え方だと思いました。

ところで、私が『企業と人材』を読むきっかけをいただいたのは、私がパートナー講師を務める株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度の連載「研修の価値を高める これからの研修評価」を担当されていたからです。

研修評価については現在、研修講師をしながら理論と実践の両輪を回しているところです。

今後も、研修評価に関する記事は積極的に取り上げていきますが、それ以外にも、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。

次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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