『企業と人材』2025年8月号レポ|Forbes JAPAN Web編集長 谷本有香さんが語る、今求められるリーダー像

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こんにちは、くすだです。

2025年度3月号の『企業と人材』(産労総合研究所)より、ブログでの要約レポを始めました。
企業に属さずフリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。

前回は『企業と人材』2025年7月号より、マネジメント支援に関する特集記事を4記事読み、学んだことをまとめました。

今回は『企業と人材』2025年8月号より、Forbes JAPANのWeb編集長 谷本さんのインタビュー記事を取り上げます。

記事タイトル

言葉を通して人と関わりながら「よりよい社会」を目指す
(Forbes JAPAN   執行役員 Web編集長 谷本有香)

■記事の概要

これまでフリーアナウンサー、ジャーナリスト、編集者として経営者をはじめとしたさまざまなリーダーにインタビューしてきた谷本さんが思う「リーダー」について語られた記事。

■記事の要約

1.今活躍している若いリーダーたちを見ていて谷本さんが感じること

  • 目的達成に必要なタスクや業務を切り分け、周囲の人に役割や権限を委譲しながら、みんなと一緒に動いていく人が多い。
  • こうしたリーダーのあり方は、「分かち合う」リーダーと表現できる。
  • リーダーシップには「トランスフォーマー型」や「サーバンド」などさまざまなタイプがあるが、今はそのどれにも属さないか、または状況に応じて変革型や支援型などのタイプを使い分けながら自分らしいスタイルを確立しているリーダーが増えている。
  • 「○○型リーダーシップ」とタイプ分けされたリーダーではなく、「△△さんのリーダーシップ」のように「個が立った」「多様なスタイル」のリーダーが活躍している。
  • そうした今活躍しているリーダーたちの共通点は、「自己理解」と「他者理解」が深い。
  • 「自分は最も得意なことに集中する。その他の部分は、それが得意な人に担ってもらう」という切り分けが上手にできている。
  • ここから分かることとして、リーダーには、「関係性や場を整えていくこと」「人に委譲できること」「そうした余白をつくれること」が求められている。

2.谷本さんが感じる「この人はすごい」と感じたリーダー

  • 「すごい」の定義は時代によって変わる。どこをとって「すごい」とするかは時代によっても人によっても異なる。
  • ・・・と、前置きしたうえで、ニデック株式会社創業者の永守重信さん。
  • 谷本さんが生放送で永守さんにインタビューした際、番組中の彼の発言によって株価が動いた。「この人が言ったことは必ず実現する」と市場が判断したということ。言葉だけで市場を動かせる存在と感じたのは後にも先にも彼だけだった。
  • 「経営者はホラ吹きじゃないといけない」(永守さん)。「ホラだ」と思われるほど壮大な夢を語り、それを実現することがリーダーの役割。
  • 日本は保守的な社会で、壮大な夢を語ることが受け入れられにくい空気がある。
  • 企業経営において四半期ごとの決算が重視されるようになり、長期的な目標よりも短期間で達成できるゴールを掲げるようになってしまったことがその背景にある。
  • その結果、イノベーションが生まれにくくなり、「失われた30年」につながった。
  • こうした空気の中でも結果を出してきたのは、永守さんやソフトバンクグループ創業者の孫正義さんなど。
  • 孫さんは著書で300年先の話をしている。
  • 「景気」という言葉には「気」が使われていることからも、経済を動かすのは「気持ち」。
  • ワクワクさせてくれる力をもつことも、リーダーに求められる資質。
  • 今の日本にこそ、人の心を動かせるリーダー、夢を語れるリーダーが必要。

3.谷本さんから見た今の若い人たちの価値観や考え方

  • 今の若い人は、「これをやれば成功する」「お金持ちになれる」といった資本主義的な「ニンジン」では動かない。
  • 「Forbes JAPAN」は、かつては「成功者に憧れる人」をターゲット読者に設定していた。表紙には本国版のようにジェフ・ベゾスやイーロン・マスクが登場。しかし、そうした方向性は日本では上手くいかなかった。
  • 大学で学生にForbes JAPANを「かっこいいでしょ」と紹介したら「ダサいです」と言われた。彼らはベゾスやマスクになれるともなりたいとも思っていない。
  • 方向性を転換し、「世間的にはまだ知名度は低いけれど、熱い思いをもって活躍している若者を多数紹介する」「次世代のリーダーを育てる」雑誌へ。売れ行きは一気に上がった。
  • 今は「全員が主役になれる時代」であり、「主役のなり方」は人によって違う。
  • 他者がその人の「主役のなり方」を決めることはできない。
  • Forbes JAPANに求められていたことは、「誰もが知る世界的なリーダーになる」ための方法ではなく、「自分にあった『主役のなり方』を見つけていく」ため、様々なリーダーや人物、視点を取り上げること。そうして「あなたにはあなたのやり方がある」と伝えていくこと。

4.「自分にあった『主役のなり方』を見つけていく」を組織にあてはめると・・

  • それぞれがもつ可能性を「型」にはめてふさぐのではなく、「その人にとってのエンジンのありか」を見極めていくことが大切。
  • これまでの成功例をもとにつくられた「いい人材像」にあてはめていくのではなく、個々人が「自分は、こういう形なら力を発揮できそうだ」と考えることができるような「余白」をつくることが求められる。
  • 多くの組織で「自律性」「主体性」が求められているが、ここにも通じる話。
  • 情報を伝えたり、制度を整えたりするだけでなく、「どうすればその人が動きたくなるか」を対話を通してお互いに考えていくことが必要。
  • 真面目で素直な若者が多いので、「やれ」と言えばやってくれるとは思うが、自走する力や挑戦心は他社に言われて湧いてくるものではない。
  • 何に火をつければ動き出すかは一人ひとり違う。
  • 人事や上司は、一人ひとりの「原動力」を見つけるため、丁寧に伴走したり関わったりしていくことが求められる。
  • 個々人の力を組織やチームの力としていくためには、よい事例や取り組みを横展開してくことが求められる。

おわりに

今回は、『企業と人材』2025年8月号より、Forbes JAPANのWeb編集長 谷本さんのインタビュー記事をまとめました。

Forbes JAPANが「誰もが知る成功者」ではなく、「自分らしく挑戦する人」を伝える媒体へと変わったように、リーダーシップやキャリアの形も、「誰かの型」から「自分の形」へと移り変わっています。

その変化は、自由であると同時に、迷いも伴うもの。
だからこそ、試行錯誤を受け止め、言葉にして整理していく支援や対話の存在が欠かせないと感じます。

ところで、私が『企業と人材』を読むきっかけをいただいたのは、私がパートナー講師を務める株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度の連載「研修の価値を高める これからの研修評価」を担当されていたからです。

研修評価については現在、研修講師をしながら理論と実践の両輪を回しているところです。

今後も、研修評価に関する記事は積極的に取り上げていきますが、それ以外にも、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。

次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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