「目標管理」について~図解 目標管理入門/坪谷邦生[著]より

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坪谷邦生/著『図解 目標管理入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読み返しています。

坪谷さんといえば、X(旧twitter)はじめ各種メディアで人気の人事コンサルタント。壺中人事塾を主宰し、「100のツボ」でおなじみの「図解」シリーズを執筆されている方です。私も、『図解 人材マネジメント入門』『図解 組織開発入門』 『図解 目標管理入門』とシリーズで持っております。(現在、新著『図解 労務入門』も発売中のようです。)

仕事でアイディアがほしい時、あるいは専門的な知識がほしい時に、「図解のどれかにヒントが載っているかな~?」とパラパラとめくっていると、大体該当する情報が記載されているので、辞書のように手元に置いて活用しています。

今回は、『図解 目標管理入門』の「Chapter.4 目標管理」の中から一部抜粋して学びの記録を共有させていただきます。

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032 目標管理はどうあるべきか?

・組織の幸せも働く人の幸せもどちらも重視している「Ⅰ.葛藤克服型」が、目指すべき目標管理です。

・業績向上と人間性尊重の統合に向けて生じる「葛藤」を克服するマネジメント。その例として五十嵐英憲はキリンビール社をあげています。

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034 目標管理はうまくいっているのか?

・目標管理が「とてもうまくいっている」と回答した人は3%、「うまくいっている」と回答したは21%、合計24%でした。

・うまくいっていると思う理由を自由記述で聞いたところ「業績が良い(業績向上につながっている、成果が出ている、右肩上がり、など)」がもっとも多く、次に「効率が良い(業務効率が改善した、スムーズに進んでいる、など)」、そして「目標に対する進捗が管理されている(上司との面談で進捗管理をしている、定期的にレビューしている、など)」が続きました。

・目標管理が「まったくうまくいっていない」と回答した人は6%、「うまくいっていない」と回答した人は21%、合計27%でした。

・うまくいっていないと思う理由を自由記述で聞いたところ「評価が曖昧(評価基準が不明確、好き嫌いで評価している、管理者の主観、など)」がもっとも多く、次に「形骸化している(中身がない、建前だけ、絵にかいた餅、エクセルシートに記入して終わり、など)、そして「目標設定の難しさ(目標を低く立てる傾向、目標のレベル差、定量化できない、数字にならない職種が不利、など)」が続きました。

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035 目標管理がうまくいっている理由は?

・「成果」「仕事」「協働」であがった内容は目標管理がうまくいった結果として起きていることですので、すぐに真似できることではありません。

・「成果」:成果が出ている(業績に繋がっている/成果が出ている/右肩上がり/順調に進んでいる/毎月達成している など)

・「仕事」:業務効率があがった(業務効率が改善している/時短効果/スムーズに進んでいる/進めやすい/効率があがっている など)

・「協働」:協働し助け合っている(助け合い/常に意見を出し合って解決している/スタッフ同士連携が取れている/チーム力があってまとまりがよい など)

・ここで着目すべきは「目標」「フィードバック」「支援」「追跡」です。全員で目標を共有すること、上司が成果のフィードバックを行うこと、上司とメンバーが定期的に進捗を確認すること、企業が進捗と結果の集計が簡単に確認できる環境を用意すること。これらはすぐにでも真似できることです。

・「目標」:目標が共有され意識しやすい(目標が明確/全員に共有され目標を意識した行動をしやすい環境/各部門が目標をもって日々管理をしている など)

・「フィードバック」:適切なフィードバックがある(達成できなくても咎められたりすることなく上司が一緒に目標の再設定をしてくれる/納得できるフィードバックがある など)

・「支援」:上司と進捗を確認している(上司との面談で進捗を確認している/定期的にレビューしている/定期的に面談を実施し目標に対しての進捗を管理 など)

・「追跡」:集計が容易でいつでも確認できる(webでいつでも確認でき行動できる/成果が目に見えて分かりやすく管理できる/自分の成果進捗やKPIがすぐ確認できる自社開発の目標管理システムでアクセスしやすく集計も容易/管理がわかりやすい など)

・「評価/報酬」へのコメントがないことも示唆的です。公平な評価/報酬は、なければ不満になりますが、あるときは当たり前なのです(衛生要因と呼ばれます)。

・評価/報酬には着目せず、目標に集中している状況が理想的であるとわかります。

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036 目標管理がうまくいっていない理由は?

・形骸化した仕組みと、不明瞭な状況の中、上司との評価に不信感を持っている辛い状況です。

・自分ではコントロールできない範囲に着目することで力は分散し、成果へ向かう「目標」に集中することができない、それどころか身を守るために「低い目標を立てる」、当然成果は出ない、という悪いサイクルに陥っています。

・改善策として、企業には公平な評価/報酬の実現、見える化の促進、目標や進捗の共有が求められます。まずは見える化、共有から始め、その上で目標管理と人事制度を切り離すことで公平性の担保を目指します。

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040 目標管理をどう使っていけばよいか?

・1つ目は、うまくいっている人は「目標と仕事」に意識を集中しており、うまくいっていない人は「上司と評価」に意識を集中しているということです。自分にできること、つまり「貢献」に力を注がなければ成果はあがりません。その結果、評価もあがりません。

・2つ目は「見える化」の重要性です。目標とその進捗・結果が公開されていること、そして容易に更新・集計できること(ゾンビ化させないこと)。それは現代においてはクラウドサービスなどで簡単に実現できることです。

・3つ目は、上司や評価への不信感、そして目標管理の形骸化の悪循環を抜け出す必要があるということです。

・組織開発の定石はスモールサクセス、まずは「小さく始める」ことです。あなたがチームを持っているなら、自分のチームから、あなたが人事責任者で、全社への取り組みを企んでいるなら、まずは人事部門から始めることをおすすめします。

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今回は、坪谷邦生/著『図解 目標管理入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、「Chapter.4 目標管理」について、一部抜粋してご紹介しました。

さらに、上記で紹介した中で、個人的に特にこれは心に留めておきたい、という部分を再掲します。

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・ここで着目すべきは「目標」「フィードバック」「支援」「追跡」です。全員で目標を共有すること、上司が成果のフィードバックを行うこと、上司とメンバーが定期的に進捗を確認すること、企業が進捗と結果の集計が簡単に確認できる環境を用意すること。これらはすぐにでも真似できることです。

・「目標」:目標が共有され意識しやすい(目標が明確/全員に共有され目標を意識した行動をしやすい環境/各部門が目標をもって日々管理をしている など)

・「フィードバック」:適切なフィードバックがある(達成できなくても咎められたりすることなく上司が一緒に目標の再設定をしてくれる/納得できるフィードバックがある など)

・「支援」:上司と進捗を確認している(上司との面談で進捗を確認している/定期的にレビューしている/定期的に面談を実施し目標に対しての進捗を管理 など)

・「追跡」:集計が容易でいつでも確認できる(webでいつでも確認でき行動できる/成果が目に見えて分かりやすく管理できる/自分の成果進捗やKPIがすぐ確認できる自社開発の目標管理システムでアクセスしやすく集計も容易/管理がわかりやすい など)

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「目標」「支援」「フィードバック」「追跡」がキーワード。大変参考になりました。

次の「Chapter.5 目標設定」では、目標設定に関するあれこれ(what・why・howなど)がわかりやすく説明されています。

次回のブログでご紹介できたらと思います。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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