『企業と人材』2025年5月号レポ|アンケートから見る 学生・企業・大学キャリアセンターの3視点まとめ

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こんにちは、くすだです。

2025年度3月号の『企業と人材』(産労総合研究所)より、ブログでの要約レポを始めました。
企業に属さずフリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。

前回は、『企業と人材』2025年5月号より、「2025年度の新入社員のタイプ」についての記事をまとめました。
今回は、「2025年3月卒業予定者の採用・就職」に関する記事を取り上げます。

記事タイトル

2025年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート
(産労総合研究所)

■記事の要約

1.2025年3月卒業予定者(学生)へのアンケート

調査対象:「ブンナビ×読売新聞2025」対象会員約100,000人
調査時期:2025年2月10日~3月5日
調査方法:Webによるアンケート調査
回 答 者:締め切りまでに回答のあった新卒予定者79人

就職先の内定・決定時期

  • 内定時期:2024年3~6月(59.9%)
  • 入社決定時期:2024年7月(18.7%)、6月(16.0%)、4・5月(同順位で各12.0%)
  • 内定社数:1社(23.6%)、4社(20.8%)、5社(16.7%)
  • 入社予定の会社で働く予定年数:できるだけ長く(41.9%)、考えていない/現時点ではわからない(21.6%)、4~5年(14.9%)

就職先の決め手、アドバイスなど

  • 就職先を選ぶときの決め手:成長ができそうだから、自分の能力や個性が活かせそうだから、給料が高いから、福利厚生が充実しているから
  • 最も重視したこと:同上他、仕事や職場が楽しそうだから

2.企業担当者へのアンケート

調査対象:企業担当者400社
調査時期:2025年2月10日~3月5日
調査方法:Webによるアンケート調査
回 答 者:締め切りまでに回答のあった企業32社

採用活動の充足度・満足度

  • 充足度合い(量):充足している(54.8%)
  • 満足度合い(質):満足している(53.6%)
  • 選考参加者数に占める内定者数:想定どおり(60.0%)、想定より低かった(36.7%)、想定より高かった(3.3%)

採用活動で活用したツール

  • 採用活動で活用したツール:就職ナビサイト、大学キャリアセンター、自社サイト、自社SNS・動画、マッチングイベント、逆求人サイト、OBOG
  • 有効だと感じたツール:ほぼ同上、OBOGが上記より上位

学生の印象、今後の対応・注力したいこと

  • 採用選考において今後注力したいこと:自社の特徴・魅力の明確化や発信(55.2%)、採用選考全体の早期化傾向への対応(27.6%)、選考過程での学生への接触頻度、コミュニケーション手法(13.8%) 
    ※「選考におけるAIやデータ分析などのITツールの活用」も選択肢に入れていたが、その項目を挙げた企業はなかった。
  • 採用活動において最もアピールした施策・制度:自社の理念、パーパス、企業風土(44.8%)、処遇・働き方に関する考え方や制度・施策(20.7%)、勤務地・労働時間など労働条件に関連した制度・施策(13.8%)、人材育成・キャリア形成に関連した制度施策(13.8%)
  • 採用活動で感じた学生に対する印象:プライベートな情報をオープンにする学生が増えてきた、ITリテラシーを駆使するなど、準備や手際の良さが顕著だった、例年以上に内定者につけているメンターへの相談が多い学生が目立ち、「悩みに寄り添ってくれたから」と入社を決める姿勢がみられた
  • 新入社員に入社後、教育したい内容:レジリエンス力、社会人としての覚悟や心構え、礼儀・マナーや仕事に向き合う姿勢、キャリア自律の醸成、社会人基礎力

3.大学キャリアセンターへのアンケート

調査対象:大学キャリアセンター約270大学
調査時期:2025年2月10日~3月5日
調査方法:郵送およびWebによるアンケート調査
回 答 者:締め切りまでに回答のあった95校

キャリアプログラムの内容

  • キャリア関連プログラムの開始時期:1年次(85.7%)
  • 内容:ワークルール、働くことや将来のキャリアに関する講座、自身のこれまでのキャリアの棚卸しや自己理解に関するワーク・講座
  • 25卒者への就職講座・ガイダンス開始時期:2023年4月(大学3年の4月)
  • 人気のテーマ:就活全般の解説や対策、インターンシップの解説・準備、書類選考対策、面接対策、就活経験者・卒業生の体験談、業界研究・企業研究

内定学生の変化など

  • 早期選考で内定を得た学生数の変化:増加(81.6%)
  • 内定を得ても就活を続ける学生数の変化:やや増加、変わらない

おわりに

今回は、『企業と人材』2025年5月号より、「2025年3月卒業予定者の採用・就職」に関する記事をまとめました。

アンケートの結果から、学生と企業の傾向を私なりの視点で文章化してみるとこのようになりました。

学生は、「入社後は、丁寧で細かい指示やアドバイスを受けて仕事を覚え、フィードバックや評価を得て自分を成長させながら、長く働いていきたい」と思っている。

企業は、「採用活動においては、早期化傾向への対応や学生への接触頻度・方法に注力し、入社後は、レジリエンス力や社会人としての覚悟や心構え、礼儀・マナー等、メンタル面や社会人としての姿勢面の教育に注力したい」と思っている。

今後の支援の参考にしていきたいと思います。

ところで、私が『企業と人材』を読むきっかけをいただいたのは、私がパートナー講師を務める株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度の連載「研修の価値を高める これからの研修評価」を担当されていたからです。

研修評価については現在、研修講師をしながら理論と実践の両輪を回しているところです。

今後も、研修評価に関する記事は積極的に取り上げていきますが、それ以外にも、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。

次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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