『企業と人材』2025年4月号レポ|OJTの実態と課題―パーソル総合研究所の調査結果より

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こんにちは、くすだです。

2024年度より、『企業と人材』(産労総合研究所)を毎月読める貴重な機会をいただいております。
企業に属さず、フリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと、改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。
前回は、『企業と人材』2025年3月号より、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーの人材育成の取り組みについてまとめました。
今回は、パーソル総合研究所が実施したOJTに関する定量調査の結果を取り上げます。

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楠田メモ:

■ 記事タイトル
OJTに関する定量調査(パーソル総合研究所)

■ 記事要約
【調査目的】
・企業におけるOJTの実態と課題を把握する
・効果的なOJTの手法や、教える側・受ける側に求められる行動・意識を明らかにする

【調査対象】
・全国の正規雇用就業者(男女・20~59歳)
・過去3年以内にOJTを経験した人
・有効回答数:4,000人

【調査時期】
2024年10月8日~10日

【調査方法】
インターネット定量調査(調査会社モニターを活用)

【調査結果】
※上から高かった結果順に記載している

1.誰からOJTを受けたか
① 教える側の立場
・同じチームの先輩 新卒・中途共に5割以上、圧倒的に多い
・直属の上司
・同じ部署の先輩(チームは同じではない)

② 教える側の年齢
・自分より年上(年の差5~10歳未満) 
・自分より年上(年の差10歳以上)
※「自分より年上」の割合が、新卒:79.8% 中途:66.0%

2.OJT時に活用したツール
・業務マニュアル 新卒・中途共に5割超
・日報
・目標設定(新人向けのもの)
・スキル・技能のチェックシート

3.OJTの期間
・~1カ月未満
・~3カ月未満
・~2カ月未満
新卒・中途共に1~3ヶ月程度の期間とするところが多いが、かなり広く分布。
※新卒平均:169.2日 中途:92.4日
※平均OJT期間を業種別にみると、次の順に多い。
・金融業・保険業 171.9日
・製造業 155.4日
・建設業 139.2日

4.OJTに対する課題感(新人側)※複数回答可
・人によって指示や教える内容が異なっている
・マニュアルや書類・業務ツールがそろっていない
・OJTのやり方が計画的でない
中途の方が全体的に課題を感じている。

5.OJTに対する課題感(教える側)※複数回答可
・人によって指示や教える内容が異なっている
・教える・教わるための時間が取れない
中途のほうが課題感がやや強い。

6.教える側が感じた意識変化
・ハラスメントに気をつけなければいけなくなった
・効率よく教えなければいけなくなった
・新人に教える人が少なくなった
・お手本となる人が少なくなった
・新人の積極性が感じられない
※こうした意識の変化を年代別にみると、中高年ほど強く感じている。

7.OJTで教わるネットワークの程度と新人の成果の関係
●教わるネットワークが広く、1人に対して複数人で教えているほど(高層)、下記項目でプラスの関連が見られた。
・個人パフォーマンス
・文化的社会化
・職業的社会化
・役割的社会化
教わる人が5人超の場合、「人によって指示や教える内容が異なっている」という課題が高くなっていた。
※OJTの散逸化を抑える施策として有意とみられるもの
・新人向けアンケートやサーベイ
・新人同士のペア・チーム組み
・教える側の「位置づける」「出会わせる」行動

8.新人の主体的行動の高低と成果の関係
●主体的行動が高い新人(高層)のほうが、下記項目において全体的に高い傾向にあった。
・個人パフォーマンス
・文化的社会化
・職業的社会化
・役割的社会化
主体的行動の実践が高い新人のほうが「仕事に慣れた」と感じる時期も早かった

9.OJTを通じて教える側が得た学び
・業務を客観的にみることができた
・業務の改善ポイントに気がついた

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今回は、『企業と人材』2025年4月号より、パーソル総合研究所が実施したOJTに関する定量調査の結果についてまとめました。
本記事は、支援者として改めて考えさせられる内容でした。特に、
「OJTで教わるネットワークの程度と新人の成果」
「新人の主体的行動の高低と成果」
という2つの視点は、今後、実践現場と照らし合わせながら、丁寧に見ていきたいテーマだと感じました。

『企業と人材』では、私がパートナー講師を務めている株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度に研修評価に関する連載を担当されていました。
関根さんからは、「リエさんが好きそうな内容だから」と、研修でお会いするたびに「おみやげ」として最新号をいただいておりました。
(関根さん、貴重な専門雑誌の「おみやげ」感謝です!!)

今後も、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。
次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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