『企業と人材』2025年9月号レポ|「優しさ」だけでは育たない?新入社員意識調査からの示唆

企業と人材

こんにちは、くすだです。

2025年度3月号の『企業と人材』(産労総合研究所)より、ブログでの要約レポを始めました。
企業に属さずフリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。

前回は『企業と人材』2025年8月号より、HTM(ハイパー・チームマネジメント)を導入している、ビジネスエンジニアリング株式会社の取り組みに関する記事をまとめました。

今回は『企業と人材』2025年9月号より、新入社員の意識変化が示す、これからの育成と組織づくりに関する記事を取り上げます。

記事タイトル

新入社員意識調査からみえた育成と組織アップデートのヒント
(リクルートマネジメントソリューションズ HRDサービス推進部
トレーニングプログラム開発グループ 研究員 武石美有紀)

■記事の概要

2025年度「新入社員意識調査」の結果の分析・考察。本調査は、リクルートマネジメントソリューションズの公開型新入社員研修の受講者718人と、インハウス型新入社員研修の受講者2,795人に実施したアンケート結果をまとめたもの。

■記事の要約

1.2025年度新入社員の「働くうえでの意識」

  • 「働いていくうえで大切にしたいこと」「仕事・職場生活をするうえでの不安」「仕事をするうえで重視すること」「働きたい職場の特徴」の4つのアンケート結果のまとめ。
  • 「働いていくうえで大切にしたいこと」:社会人としてのルール・マナーの習得
  • 「仕事・職場生活をするうえでの不安」:仕事についていけるか
  • 「仕事をするうえで重視すること」:成長(自分が成長できる)
  • 「働きたい職場の特徴」:お互いに助け合う
  • 学生時代をコロナ禍で過ごし、対面でのコミュニケーションが不足していた背景を持つ。
  • そこから、社会人としてのルールやマナーを学びたいという意識が高まったのでは。
  • 不透明な社会状況、この先への漠然とした不安から、「どんな環境でも生きていける力をつけたい」という思いを持ち、成長への意欲を高めている。
  • 「個性を生かし、お互いに尊重すること」が当たり前のように意識されてきた教育環境。
  • 「成長実感が得られる」「自分らしさを生かせる」が新入社員定着のためのキーワード。

2.「理想の職場」「理想の上司」の過去10年間の比較

  • 「理想の職場」
  • 10年前:活気があって鍛え合う職場
  • 2025年:個性を尊重しながら助け合う職場
  • 過去最低の選択率となったキーワード「アットホーム」。人間関係を重視していないわけではないが、近すぎる人間関係や、関係性を理由に無理難題を求められるイメージを抱いている。
  • 「理想の上司」
  • 10年前:情熱をもって厳しく引っ張る上司
  • 2025年:よいところを褒めながら、一人ひとりを丁寧に指導してくれる上司
  • 今の新人は「自分らしさを活かしたい」「お互いを尊重しながら働きたい」。
  • 「最近の若者は甘いのではないか」と思う人もいるかも・・。
  • 現在は先の見えにくい不確実な時代であり、組織のあり方も、チームの一人ひとりが柔軟に価値を生み出す「自律共創型」の流れが強まっている。
  • 「皆の個性を生かしながら、一緒に新しい価値をつくっていきたい」という新入社員の意識は、これからの時代にプラスに働く要素が多いのではないか。

3.新人を育成しながら組織のアップデートをはかる

  • マネジメントのあり方に「自律共創型」の要素が求められている。
  • 従来は「実行型」(マネージャーが指示を出し、部下がスピーディに遂行する)が主流。
  • 最近は「実行型」+「自律共創型」(実行型に加えて、メンバー一人ひとりが主体的に学び合い、柔軟にアイデアを出していく)が求められつつある。
  • 年次や役職を問わず、誰もが安心して意見を言える環境をつくることがまず第一歩。
  • しかし、心理的安全性という考え方は実践が難しい。
  • 相手を叱らないことや、表面的に肯定することが大事だと誤解されやすい。
  • 「直してほしい新入社員のマナー」に対して、「あたり障りのない言葉で伝えた」「見て見ぬふりをした」と回答していた育成担当者が6割(2023年の調査)。
  • 相手に優しくする、単に「いいね」と表面的に肯定することは、一時的には関係性を保ちやすいが、自己成長や共創へ意欲が高い昨今の若手にとっては不信感にもつながる。
  • 心理的安全性はお互いのイノベーションを生みだす土台であるという認識を持ち、時に衝突を恐れずに真摯にコミュニケーションをとっていくことが大切。
  • 心理的安全性があっても話題がなければ対話は生まれない。
  • 「社員同士が自然と対話できるトピック」を組織や上司側から提供してみるのも一つ。
  • 「新人育成」をテーマに、「新入社員の○○さんをどう育成したらいいと思いますか?」「どう育ててもらったら、○○さんはうれしいと思いますか?」などと上司と若手が対話する。

4.組織のアップデートに新人育成を生かした成功事例

  • 上司Aさんが若手と対話したことで、新入社員との関わり方を見つめ直すことができた。
  • 「最近の新入社員は厳しい指摘を嫌う」という先入観から細かいフィードバックをためらっていたAさん。
  • 若手から「ダメ出しばかりされると若い世代は傷つくけど、指摘そのものはほしがっている。指摘内容に納得感が生まれるように伝えれば、受け入れてもらえる。」とアドバイスをもらい、「決めつけずに聞いてみてよかった」とAさんは実感した。
  • 別の事例で、育成担当になった若手が育成に対する不安を感じていたが、上司や同期と育成について対話できる環境があったおかげで前向きになれた。
  • 次期マネージャーの育成にも、新人育成をテーマにした対話は効果的。

5.職場全体で新人育成に取り組むメリット

  • 職場全体で育成に取り組むチームほど、新入社員の成長度合いが高い(2025年の調査)。
  • 組織のメリット:チームワークが強化された、組織の成長につながった
  • 育成担当者のメリット:負担が軽減された、さまざまな視点で育成方法を考えられた
  • 新入社員のメリット:視野が広がった、溶け込みやすくなった

6.人事部門が現場と伴走

  • 人事部門の働きかけが組織のアップデートを後押しする。
  • メッセージや施策を伝えるだけでなく、人事部門が現場と伴走する意識が欠かせない。
  • 人事からOJT担当者への声かけ(最近の様子はどうですか?など)や労いの言葉かけ。
  • 社内報で育成の成功事例を紹介し、横展開。
  • 「人事はちゃんと見てくれている」という安心感を現場がもちやすくなる。

おわりに

研修評価については現在、研修講師をしながら理論と実践の両輪を回しているところです。

今後も、研修評価に関する記事は積極的に取り上げていきますが、それ以外にも、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。

次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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