『企業と人材』2025年4月号レポ|沢渡あまね氏に学ぶ「ファシリーダー」

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こんにちは、くすだです。

2024年度より、『企業と人材』(産労総合研究所)を毎月読める貴重な機会をいただいております。
企業に属さず、フリーで活動している私にとって、こうした専門情報誌で最新のトレンドに触れることは非常に重要だと、改めて実感しています。

この機会を「読んで終わり」にせず、学びを整理しながら共有していくために、今後は定期的にブログへまとめていきたいと思います。
前回は、『企業と人材』2025年4月号より、人的資本経営を支える効果測定についての記事をまとめました。
今回は、4月号の巻頭を飾った、沢渡あまね氏のインタビュー記事を取り上げます。

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楠田メモ:

■ 記事タイトル
人事がファシリーダーとなり組織・人の変革を促す
(あまねキャリア CEO 沢渡あまね)

■ 記事の概要
本記事は、沢渡あまね氏へのインタビューをもとに、日本企業が直面する課題と、これからの変革を促す存在=「ファシリーダー」の重要性について掘り下げたものである。

■ 記事の要約
1.日本企業の現状と変革の必要性
 ・今の日本は「変われるかどうか」ではなく、「変わらなければ生き残れない」段階にある。
 ・課題の根本には、「思考様式」と「行動様式」のアップデート不全がある。
 ・高度成長期に最適化された「統制管理型マネジメント」が、今やイノベーション阻害や不祥事を招くリスクに。
 ・まずは経営トップが危機感を持つことが出発点。

2.個人に求められるメタ認知と越境
 ・「この会社・業界の常識は正しいのか?」と自ら疑う視点(メタ認知)が不可欠。
 ・「数値目標のためにがむしゃらに取り組む」「自組織の常識のもと突っ走る」・・その結果、世の中のやり方から逸脱してしまった例も散見される。「モーレツ×内向き」な組織文化の中での暴走。
 ・キャリアリスク回避のための自衛手段:疑いの目を持つ。違和感を大切にする。組織を変えるために働きかける。場合によっては組織と距離を置く。
 ・メタ認知を育む方法①「越境」:自社・自組織から外に出て、異なる価値観・基準に触れる。「第2・第3のものさし」を得ていく。副業・兼業制度の活用。他社事例や外部メディアの参照。外部研修への参加。地域・社外コミュニティへの関与。
 ・メタ認知を育む方法②「自己・自組織肯定」と「自己・自組織否定」の両輪を回す:その第一歩として、「越境」して社外の空気に触れ、ズレに気づく(上述の①)。その中で、自組織に対する違和感や批判的な視点が生まれるかもしれないが、一方で、強みや良さに気づくこともある。違和感には、自分たちを肯定する要素も入ってくる。

3.ファシリーダーの役割と求められる行動
 ・企業内で組織変革を進めていくためには、対話の場をつくったり、人をつなげる「ファシリテーター」のような存在が必要になる。これからは、働く人一人ひとりにファシリテーターのような能力や振る舞いが求められるようになる。
 ・あまね氏は、リーダーシップをもったファシリテーター「ファシリーダー」の重要性を語っている。ファシリーダーとは、違和感をすくい上げ、対話を促し、合意形成を進める存在。「半径5メートル以内の景色を変えつつ、関係者をゴールへと導く推進者」。ファシリーダーに求められる7つの行動を、3つのコア・アクションと4つの戦略アクションに分けて紹介。
 ・3つのコア・アクション:「観察」「対話」「期待役割の伝達・合意形成」
 ・4つの戦略アクション:「ビジョンニング」「ストーリー設計」「偶然設計」「環境セットアップ」

4.ファシリーダーに求められる「共創デザイン」と「共創力」
 ・9つの共創デザイン:「ビジョン」「ストーリー」「動機」「体験」「変化・成長」「能力」「振  り返り」「キャリア」「余白」。あまね氏が特に重要視しているのが「余白」
 ・34の共創力:「ビジョニング」「リーダーシップ」「観察力」「問い力」「面白がり力」「体験力」「リスペクティング行動」「プロジェクトマネジメント力」「ダイバーシティ&インクルージョン」「キャリア自律」「ネガティブ・ケイパビリティ」「余白創出」「越境思考」など。あまね氏が最近注目しているのが「ネガティブ・ケイパビリティ」。あまね氏はこれを「すぐに解決しようとしない行動特性および能力」と捉えている。

  1. 人事がファシリーダーとなる意味
    ・人事の人がファシリーダーになることは、ある意味、仕事の枠を超える「越境」に当たる。
    越境することで自ずと自身の動機づけが高まる。越境する意味はここにある。
    ・強制されるのではなく、他社・他者と関わる中で得た違和感や視点によって自然と変革に向けた動きが生まれてくる。
    ・「共創デザイン」にあげた「余白」のためには、「仕組み」「仕掛け」「覚悟」が必要。制度や施策を企画・運用している人事の仕事と関わりが深い部分。
    ・人事が社内から信頼され、応援される部署になっていくためには、「共創力」にあげた「面白がり力」を大事にしてほしい。摩擦や違いをあえて面白がる習慣をつけてみる。

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今回は、『企業と人材』2025年4月号より、沢渡あまね氏のインタビュー記事をまとめました。

本記事は4月号の巻頭を飾る、読み応えのある一編でしたが、読み進めるうちに自然と引き込まれ、一気に読み切ることができました。
『問題地図』シリーズのファンとしても、あまねさんの言葉一つひとつが心に響きました。
(特に印象に残ったワード・フレーズには、黄色のアンダーラインで記しています。)

『企業と人材』では、私がパートナー講師を務めている株式会社ラーンウェルの関根雅泰さんが、2024年度に研修評価に関する連載を担当されていました。
関根さんからは、「リエさんが好きそうな内容だから」と、研修でお会いするたびに「おみやげ」として最新号をいただいておりました。
(関根さん、貴重な専門雑誌の「おみやげ」感謝です!!)

今後も、私自身が「いいな」と思った記事を、私なりの視点でご紹介してまいります。
次回もどうぞお楽しみに。

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楠田 理恵くすだ りえ

リフェクション 代表

埼玉県生まれ。
明治大学法学部卒。大学卒業後、専門商社で16年間事務職に従事。最初の10年は、総務部にて人事、労務、採用、育成、庶務等、幅広く担当。この頃、「社員の相談窓口的な存在」「新入社員のフォロー役」という立ち位置を確立していった。
出産・育休を経て復帰後は、短時間勤務で働くいわゆる「時短ワーママ」を経験。また、2人目の育休から復帰後は、働きながら心理学を学び直し、キャリアコンサルタント(国家資格)を取得。

その後、子供2人の成長に合わせた「働き方改革」を段階的に進め、2021年に起業。
現在は、フリーランスのキャリアコンサルタントとして、企業研修、若手社員の1on1面談を行っている。研修後や面談後の細やかなフォローが強み。特に若手社員の「お母さん的存在」として、精神面のフォロー役を担っている。
家族:夫、長女、長男

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