先週、映画『PERFECT DAYS』を観てきました。
主演は役所広司さん、監督はヴィム・ヴェンダース氏。
私は「観てよかった」と思ったので、ブログに感想を残しておきます。
●役所広司さんについて
映画を観ながら、ふと役所広司さんことを知りたくなりました。役所広司さんの出演作を見たのは『Shall we ダンス?』以来です。「役所さんて何歳くらいなんだろう?」とか、「そういえば私生活のことをあまり知らない、というかあまり取り上げられているのを見たことがない」などと思いながら観ていました。私なんぞが言うのも何目線て感じですが、すごい俳優さんだと思いました。彼自身の魅力が溢れ出ていたといいますか。そうなるようにに演じていたのか、彼自身の素なのかは分かりません。
●映画を観ながら感じていたこと
映画の内容は、一言で言うと「清掃員、平山氏の日々」。平山氏が朝起きて、朝のルーティンを済ませ、現場へ出勤し、都内各所の公園のトイレを清掃し、帰宅し床に就くまでの1日を何度も繰り返しながら映画は進んでいきます。大きな事件という事件は起きません。なぜか映画を観ている時、「この先、心が傷つくシーンが待っているのではないか」と半ば緊張している自分がいたのですが、暴力・暴言や目を覆いたくなるようなシーンはなく、見終えてほっとしている自分もまたいました。
●映画のタイトルについて
あの映画を観た直後、役所広司さん演じる平山氏の日常を「理想の日々だなあ」と思う自分と、それを発信することにためらいを感じる自分がいて、うまく言葉にできませんでした。
一夜明けて、「あれはやはり理想の日々だ」と思い至りました。テレビもPCもスマホもない生活。ミニマリストのような暮らし。コックピットのような家。削ぎ落された生活の中で、豊かさが際立っていたように感じました。
外国人の監督が描きたかったのは、何だったのでしょう。「禅」を思わせる要素もあり、「外国人がイメージするいかにもな日本人像?」という見方もできて、「実際にはこんな日本人はいない」「これはあくまでフィクションだ」「日本人版のフランス映画だ」なんて風にも思ったりしましたし(リスペクトを込めて言っています)、妙にリアリティのある部分も随所にあって、「『日常』をよく分かってらっしゃるなあ」とも思いました。
『PERFECT DAYS』は、私の中では「理想の日々」という解釈で落ち着いています。「『完璧な』日々などあり得ない、あり得ないからこその『理想の』日々」。
●映画の背景について
平山氏のアパート(玄関を開けるとすぐ階段のメゾネットタイプ、かなりの築年数)からは、スカイツリーを見上げることができました。スカイツリー、墨田川、路地の多い街並み、浅草駅、商店街、コインランドリー、ママのいる小料理屋。この辺りに住んでいたらこんな感じなのか、と想像しながら観るのも楽しかったです。
また、平山氏はマイカー(軽ワゴン、カセットテープで音楽が聴ける!)を運転し、首都高を使って現場へ出勤していましたが、行く先々の公園のトイレがスタイリッシュだったのも驚きでした。
実は今夜、「『PERFECT DAYS』について語る会」に参加する予定になっているので、特に印象に残っていることを書き出してみました。ネタバレしない程度に書かせていただきました。
2024年は、月1本は映画を観るようにしたいなと思っているので、今月も観ることができてよかったです。ちなみに先月は、『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』を観てきました。埼玉県民はもちろんのこと、関西の方にもぜひ見てほしいと思う映画です。県独特のイメージや「あるある」など、ベタなものからマイナーなものまで楽しめます。なので、埼玉や関西に縁のある方はより楽しめると思います。
こんなふうに、映画や小説、ビジネス本や漫画の所感なども今後ブログに書いていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。